こんにちは。教員の片山です。


先日、本校に株式会社山正のご担当者様をお招きし、希望学生を対象とした「艾(もぐさ)づくり体験」を実施しました。


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株式会社山正は、創業明治28年の老舗企業で、滋賀県に本社を構えています。艾(もぐさ)やお灸を中心に、鍼灸施術に用いられる各種用品の製造・販売を行っています。
艾(もぐさ)という言葉は聞きなれない方も多いかと思いますが、私たち鍼灸師はお灸を据える際には艾(もぐさ)を捻って皮膚に据えて施灸していきます。艾(もぐさ)の原料はヨモギの葉の裏にある柔毛(毛茸や腺毛)を集めて作られます。




普段、学校でも実技授業で何気なく使用している艾(もぐさ)ですが、その原料や製造工程について詳しく知る機会は多くありません。
今回は、艾(もぐさ)の原材料であるヨモギの特徴や、精製の工程、品質による違いなどについてご説明いただいた後、実際に艾づくりを体験させていただきました。





株式会社山正では伊吹山で自生しているヨモギを採取し使用しています。伊吹山の高品質なヨモギは古くから艾の製造に良いとされ「伊吹もぐさ」の名前で親しまれています。
採取したヨモギの葉は天日乾燥・加熱乾燥を経て、3種類石臼を使い分けながら複数回粉砕し、長どおしといわれるふるいにかけ不純物を徹底除去した後に、さらに唐箕(とうみ)がけをし、純粋な艾(もぐさ)がつくられます。




良質な艾(もぐさ)は、採取したヨモギの葉の重量のうちわずか3%程度しか作られないとのことでした。長い時間と多くの手間をかけて製造されるにもかかわらず、最終的にごく少量しか残らないという事実に、学生たちからも驚きの声が上がっていました。


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どのような工程を経て作られているのか学んだあと、実際に手作業での艾づくりを体験しました。

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今回は、乾燥ヨモギの葉に加え、すり鉢、すり棒、ザル付きのプラスチック容器を使用しました。


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すり鉢と棒を使って不純物を取り除きながら乾燥ヨモギを丁寧にすりつぶし、



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粉や不純物が溜まってきたらプラスチックタッパーを用いて粉を落とします。




これを繰り返しながら知熱灸用艾を作っていきました。

かなりの力作業で学生たちは交代しながらすりつぶし、ふるいにかけ40分程度。

均一でやわらかい艾に仕上げるには根気が必要であることを実感しました。



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最後に完成した艾を実際に燃やし、知熱灸を体験しました。



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実際に製造に携わる企業の方から直接お話を伺うことで、道具の背景にある技術や想いを知ることができ、視野を広げる学びとなりました。
近年、海外製の安価な製品や簡易的な製品の普及により、伝統的な鍼灸用具の使用者の減少、さらには製造に携わる方々の減少も見受けられます。そうした中で、今回の体験を通し、私たちの臨床を支えてくださっている製造者や職人の皆さまへの感謝の思いを改めて深くする機会となりました。
今後も教育現場として、道具を大切に扱い、適切に使用できる技術を伝えていきます。




ご協力いただきました山正様に、心より感謝申し上げます。